円安で変わるタイの技能実習 ― 希望者の減少と、職種ごとの採用先の見直し

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円はバーツに対して、この6年でおよそ3割下落しました。日本で働いて得た給料をバーツに換算したときの「持ち帰り価値」が大きく目減りし、タイの方にとって日本で働く金銭的な魅力は以前より小さくなっています。- 同じ時期にタイ国内の最低賃金は上がり続けています。ベトナムやミャンマーより高く、インドネシアで送出しの多い地域よりも高い水準です。国内で働く選択肢の魅力が相対的に増しました。- その結果、タイでは技能実習の希望者が減り、応募してくる方の層にも変化が見られます。建設のとびのような、屋外で負荷が高く相対的に賃金の低い職種は、これまでの条件ではタイでの候補者確保がほぼ難しくなっています。  ## 円はバーツに対して約3割下落しました世界経済のネタ帳の集計によりますと、100円で買えるバーツは、2019年の年平均で約28.5バーツ、2026年(1〜7月平均)では約20.3バーツで、6年でおよそ29%下落しました。技能実習の手取りを月15万円と仮定して各年の平均レートでバーツに換算すると、2020年は約43,900バーツ、2026年は約30,500バーツとなり、6年でおよそ1万3,000バーツ(約30%)目減りした計算です。日本で受け取る金額が同じでも、タイの家族に送れる金額、帰国後に手元に残る金額は、以前よりはっきり小さくなっています。   ## タイの賃金は上がり、国内で働く魅力が増していますタイの最低賃金は日額400バーツへの引き上げが進み、ASEANの中では中位から上位に位置します。地域別の最低賃金が月額160〜230米ドル相当のベトナム、それより低いミャンマー、送出しの多い地域が月額200米ドル前後のインドネシアと比べても、タイの賃金水準は高めです。技能実習生の国籍別の構成比を見ても、タイは全体の約3%にとどまり、45%のベトナム、8%のインドネシアを下回っています。円安と国内賃金の上昇が重なり、「日本へ行く」という選択の相対的な魅力が下がっていることが、数字にも表れています。  ## 希望者が減り、集まる層も変わってきました(当社の実感)ここからは統計ではなく、人財タイランドが日々の募集・面接で感じている変化です。数年前までは、応募者の中に大卒者も一定数いました。近年はほとんど見られなくなっています。また、応募のハードルが下がったことの裏返しとして、勤務態度や素行の面で懸念が残る応募者の割合が増えたという実感もあります。とくに建設のとびをはじめとする、屋外で体力的な負荷が大きく、日本での賃金が相対的に低めの職種では、以前と同じ待遇提示で日本行きを希望するタイの方を見つけることは、非常に難しくなりました。  ## 人財タイランドの対応 ― 選抜を厳しくし、質を担保しますこうした環境の変化を踏まえ、当社は候補者の選抜をこれまで以上に厳格にしています。書類審査に加え、適性検査、複数回の面接、これまでの勤務歴や素行の確認を行い、日本語学習の継続意欲と生活面の安定を重視して選考します。人数をそろえることよりも、日本の現場で長く働き続けられる方をお送りすることを優先しています。日本語教育は、当社が2022年にウドンタニで開校した日本語学校「人財キャンパス」で行っています(定員70名の少人数制)。学校の責任者は、日本での実務経験が豊富な加藤ひとみが務め、監理組合や受入れ企業からのご要望(求める日本語レベル、職種特有の語彙、生活指導の重点など)に細かく対応できる体制です。当社がこれまでにお送りした技能実習生・特定技能労働者は約300名で、定着率は95%です。  ## ご提案 ― 職種によって採用先を分けることをお勧めしますそのうえで、受入れ企業・管理組合の皆さまにお伝えしたいのは、「タイにこだわらず、職種ごとに最適な国を選ぶ」という考え方です。賃金水準が相対的に低く、屋外で負荷の高い職種については、インドネシアなど他の国に採用先を移すことをお勧めします。当グループはインドネシアにも送出し機関と日本語学校(LPK)を持っており、そちらでの募集・育成に切り替えるご相談が可能です。一方で、待遇が比較的整っている職種や、特定技能・より専門性の高い人材については、タイでの採用が引き続き有効です。人財タイランドは、この見極めからご相談をお受けします。  ## お問い合わせ職種ごとの採用先の見直し、タイ・インドネシアそれぞれでの募集について、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT THAILAND)へご相談ください。(お問い合わせページへ)

円安で外国人労働者の獲得がより困難に!

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つい先日、進行する円安に関しての記事を日本経済新聞で目にしました。円、ルーブルに次ぐ弱さ 1〜3月の主要25通貨で のタイトルで報じられています。 ※2022年4月6日の日本経済新聞の記事より転載 いい機会なので、バーツ円の為替レートを検証したいと思います。 ※過去5年のバーツ円為替レートの推移 注)グローバル通貨市場における売買の中間レートなので実際に銀行や両替商での両替金額とは異なります。 5年前の2017年4月は、1バーツ=3.16円 だったのに対して、2022年4月7日は、1バーツ=3.69円。バーツ円17%上昇のバーツ高となっているのです。 2020年1月にもバーツ円は3.6 円前後でしたが、当時のUS円は108-9円でした。つまり当時は円もバーツもUSドルに対しては現在よりも強かった事が分かります。今回のバーツ高は、その当時とは異なり、円が対USドル独歩安となっているのに対して、日本経済新聞の記事にある通り、バーツが対ドルに底堅く推移している事から起きています。 ※過去5年のUSドル円為替レートの推移 技能実習制度を論じるにあたり相応しい形容で無いかもしれませんが、一般的に外国人労働者が日本で働く事は労働力の輸入を意味します。円安は労働力獲得にはマイナスである事は言うまでもありません。貯蓄して本国に持ち帰る事が日本で働く外国人労働者の目的である以上、円安は害悪以上の何者でもない、という訳です。 タイ人労働者獲得に動いている国は、韓国、台湾が先ず挙げられますが、実際多くの国外労働希望のタイ人労働者の目には日本より魅力的に映っているようです。 様々な産業で日本人だけでは立ちいかなくなっている現状で、この円安は人材獲得には今後マイナスに作用して行く事が懸念されます。