育成就労の日本語要件はどこまで上がるか ― 入国前N4を求める動きと、特定技能という選択肢

技能実習業界関連情報

**ヘッドライン** – 育成就労(2027年4月〜)では、特定技能1号への移行時に日本語A2相当(N4等)の試験合格が原則必須になります。技能実習2号修了者に認められていた試験免除は、育成就労にはありません。 – 受入れ側の講習負担を軽くできることから、入国前にA2(N4)相当の取得を求める管理組合(将来の監理支援機関)が増えています。 – 入国前にN4まで仕上げて送り出すのであれば、育成就労の3年間を経ず、最初から特定技能1号を目指すという選択肢も現実的になってきています。   ## 育成就労の日本語要件 ― 3年間で何が必須になるか 育成就労の日本語要件は3段階に分かれています注1注2。就労開始前(入国前)は、日本語能力A1相当以上(JLPT N5等)の試験合格、または認定日本語教育機関の「就労」課程によるA1相当講習を100時間以上受講することが必要です。1年が経過するまでに、受入れ機関は技能検定基礎級等とA1相当試験を受験させる義務を負いますが、ここで不合格でも育成就労自体は継続できます。 最大の違いは3年終了時です。特定技能1号へ移行するには、技能検定3級等または特定技能1号評価試験に加えて、**日本語能力A2.2相当以上(JLPT N4等)の試験合格が原則必須**になります。技能実習では、2号を良好に修了すれば技能・日本語とも試験免除で移行でき、実習生の約9割が対象、特定技能労働者の約3/4が技能実習出身という実績がありますが、育成就労にはこの免除がありません。不合格の場合は強制帰国ではなく、再受験のために最長1年の在留継続が認められます。 (注)「A2.2」とは、「日本語教育の参照枠」(CEFRを基にした日本語版の熟達度尺度)でA2レベルをさらに上下2段階に分けたときの上位区分です。育成就労・特定技能の公式資料では、この「A2.2相当以上」をJLPT N4・JFT-Basic合格と同じ水準として扱っています。CEFR・JLPT・JFT-Basicの対応と到達目標の一覧は、次の表のとおりです。     ## なぜ管理組合は入国前のN4取得を求め始めているのか 入国後講習と、就労後のA2目標講習という、2段階のルールを押さえておく必要があります。 **まず入国直後の入国後講習です。** 入国前のA1(N5)試験に合格しているかどうかで、必要な時間数が変わります。未合格のまま入国した場合は320時間以上(このうち100時間は、認定日本語教育機関の「就労」課程によるA1相当講習が必須です)。合格済みで入国した場合は220時間以上で済み、認定日本語教育機関の講習である必要もありません。どちらも、入国前6か月以内に一定時間以上の入国前講習を受けていれば、さらに短縮できます(未合格の場合は160時間以上の入国前講習で160時間以上に、合格済みの場合は110時間以上の入国前講習で110時間以上に、それぞれ短縮可能)。 当社の実務上の目安では、タイの入国前研修は3か月以上(1日6時間×週5日×4週×3か月=360時間*祝祭日を入れて計算すると320時間前後)が標準的な期間で、160時間の基準を大きく上回ります。そのため、入国前にA1(N5)に合格していない候補者であっても、通常の入国前研修を受けていれば入国後講習は320時間ではなく160時間に短縮されるのが、業界内では一般的なケースです。 **次に、就労開始後、3年間を通じたA2目標講習です。** 育成就労実施者(受入れ企業)には、育成就労外国人がA2(N4)相当の試験に合格できるよう、認定日本語教育機関の「就労」課程による講習を100時間以上履修できる機会を用意する義務があります。費用も受入れ企業または監理支援機関の負担です。ただし、**本人がA2相当の試験にすでに合格していれば、この100時間の提供義務自体がなくなります**。   整理すると、入国前にN4(A2)相当まで到達させておけば、①入国後講習は220時間(又は110時間)で済み、②3年間のA2目標講習100時間を提供する義務もなくなる、と二重に負担が軽くなります。技能実習時代はN5相当が入国前の目安でしたが、育成就労ではこの先、入国前にN4相当を求める管理組合が増えていくと考えられます。   ## 特定技能という選択肢 特定技能1号の要件は、技能検定等の技能試験と日本語N4相当で、今後求められる可能性のある育成就労の出口要件とほぼ同じ水準です。公式資料でも、**育成就労を経ずに海外で技能試験・日本語試験を受験し、特定技能1号で直接入国することが認められています**。 つまり、入国前にN4まで仕上げられる候補者であれば、育成就労の3年間(本人意向による転籍には1〜2年の制限があります)を経由せず、最初から特定技能1号を目指すという選択肢が現実的になります。特定技能1号は同一分野内での転籍が自由で、育成就労のような転籍制限もありません。すべての候補者に当てはまる話ではありませんが、職種や候補者の学習到達度によっては、検討する価値のある選択肢です。   ## 受入れ企業・管理組合の皆さまへ 育成就労と特定技能のどちらが合うかは、職種や求める人数、候補者の日本語到達見込みによって変わります。現在お付き合いのある管理組合とよく相談しながら、入国前にどこまでの日本語レベルを求めるか、育成就労と特定技能のどちらのルートを軸にするかをご検討いただくことをお勧めします。   ## 人財タイランドの取り組み 人財キャンパスでは、入国前にA1(N5)試験の合格を必達目標とした体制づくりを検討しています。また、今後の業界の傾向を踏まえながら、育成就労制度下でのA2(N4)への引き上げ、または特定技能へ舵取りを視野に入れています。候補者ごとの学習進度に応じて、育成就労・特定技能のどちらのルートが向いているかのご相談にも対応してまいります。   ## お問い合わせ 育成就労・特定技能の制度選択や、入国前の日本語到達レベルの設計についてご相談があれば、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT (THAILAND) CO., LTD.)へお気軽にお問い合わせください。(お問い合わせページへ)    

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育成就労とタイの送出し実務 ― 日タイ協力覚書で決まった「認定送出機関」と費用のルール

技能実習業界関連情報

2027年から始まる育成就労制度に関して、日本とタイの両国間での取り決め事項や、協定の経過をまとめてみました。  **リード**– 育成就労では、タイ労働省が認定した送出機関を通じた人材しか受け入れられません。日本とタイは2026年6月、そのための協力覚書を作成しました。育成就労で覚書を結んだのはタイが最初です。- タイの認定送出機関リストはすでに公表されており、2026年9月2日更新版では65機関が載っています。  → [育成就労制度 タイ認定送出し機関一覧](https://www.otit.go.jp/upload/docs/260902_THA_ESD.pdf)  (注)人財タイランドはリスト上の13番目に記載されています。- 受入れ側が確認すべき点は、取引先がリストに載っているか、費用が月給2か月分以内に収まっているか、の2つです。  ## 日タイの協力覚書で何が決まったか育成就労に関する協力覚書は、タイ労働省が2026年5月20日、日本側(法務省・外務省・厚生労働省・警察庁)が6月2日に署名しました。有効期間は5年で、自動で延長されます。育成就労での二国間覚書はタイが初めてです。役割分担ははっきりしています。タイ労働省は雇用局の海外雇用管理課を窓口として送出機関を審査・認定し、認定後も指導を続け、基準を満たさなくなれば認定を取り消します。日本側は、認定送出機関以外から送り出された人材を受け入れません。認定や許可を取り消したときは、互いに相手国へ通知します。タイ側が責務を果たさず、協議でも解決しない場合には、日本側が受入れを一時停止できるという条項もあります。  *育成就労でのタイからの送出しルート   ## 認定送出機関リストはすでに公表済み外国人技能実習機構(OTIT)は、タイの認定送出機関リスト(育成就労)を掲載しています。2026年9月2日更新版には、タイ労働省雇用局を含めて65機関が載っています。正式なリストが出たのは、ウズベキスタン・ラオス・スリランカと並ぶ4か国だけで、インドネシアやベトナムはまだ暫定リストの段階です。監理支援機関の許可は、相手国から正式なリストが提出された後に出る仕組みです。タイはリストの提出が済んでいるため、タイからの受入れ準備は他国より一歩先に進められる状況です。なお、技能実習の認定送出機関リストとは別のリストです。いま取引している送出機関が育成就労のリストにも載っているか、一度ご確認ください。  ## 認定の基準 ― 費用とブローカー対策覚書の別添には、タイの送出機関の認定基準が11項目並んでいます。受入れ側に関係の深いものは次のとおりです。- 本人や家族から受け取る費用は、育成就労計画に書かれた月給の2か月分まで- 費用の算定基準をウェブサイトなどで公開し、本人と監理支援機関に説明する- 保証金名目で本人や家族のお金を管理したり、違約金を定めた契約を結んだりしていない- 仲介者(ブローカー)が本人から費用を取ることを許していない- タイの公的書類で、一定の犯罪歴がないことを確認してから送り出す費用が2か月分を超える場合、超えた分は受入れ企業または監理支援機関が負担することになります。  *タイの認定送出機関に求められる主な基準   ## 受入れ側の実務で変わること日程面で気をつけたいのは2点です。ひとつは、労働契約を結ぶ前に、雇用条件を対面かオンラインで本人に説明することが覚書に明記された点です注1。面接や内定の段取りに、この説明の場を組み込んでおく必要があります。もうひとつは、犯罪歴の公的書類です。取得にかかる日数を見込んで、出国までのスケジュールを組むと安心です。費用の内訳や説明の進め方は、送出機関と監理支援機関の間で決まる部分が大きくなります。受入れ企業側で準備しておくべきことは[参考記事:育成就労で受入れ企業がいま準備すべきこと]にまとめています。あわせて、現在お付き合いのある管理組合とよく打ち合わせておくことをお勧めします。  ## 人財タイランド/人財キャンパスの取り組み人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT (THAILAND) CO., LTD.)は、タイ労働省の認定送出機関として、OTITの育成就労リストに掲載されています。ウドンタニの日本語学校人財キャンパス[参考記事:2026-09-16_人財キャンパスとは_日本人責任者が要望に直接応える体制]では、日本での実務経験が豊富な日本人責任者が、管理組合・受入れ企業のご要望を入国前教育に反映しています。費用の内訳や雇用条件の説明の進め方についても、管理組合と相談しながら育成就労のルールに沿って整えてまいります。  ## お問い合わせ育成就労でのタイ人材の受入れ、送出しの手続きや費用についてのご相談は、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT (THAILAND) CO., LTD.)へお問い合わせください。(お問い合わせページへ)

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タイ vs ベトナム・インドネシア ― 技能実習・特定技能の送出し国を賃金・為替・定着の数字で比較

技能実習現場

– 2019年と比べて、円の価値はバーツに対して28%、ドンに対して22%、ルピアに対して15%下がりました。3か国のなかで、日本で働く金銭的な魅力が最も薄れたのはタイです。 – 一方で、タイは受入れ規模に比べて失踪者が少なく、2025年の技能実習生の失踪者は17人でした。 – 「どの国が良いか」ではなく、職種と待遇に合わせて国を選ぶための材料として、3か国の数字を並べました。 ## 母国の最低賃金を円に換算すると 3か国の最低賃金を、2026年(1〜9月)の平均レートで円に換算すると次のようになります。 タイは最も低い地域でも月4万円台に届き、国内全体の底上げが進んでいます。インドネシアは首都と地方の差が大きく、送出しの多い地方部ではベトナムと同程度の水準です。 ## 円の目減りはタイが最も大きい 日本の給料を母国に送るとき、効いてくるのが為替です。100円で買える現地通貨は、2019年の年平均から2026年(1〜9月平均)にかけて、タイで28.5→20.5 THB(▲28%)、ベトナムで21,145→16,581 VND(▲22%)、インドネシアで12,978→10,980 IDR(▲15%)と減りました。 同じ円額の給料でも、タイの方にとっては以前より3割近く目減りしています。[円安がタイの技能実習希望者に与えている影響](2026-09-10_円安で変わるタイの技能実習_希望者減少と採用先の見直し)は以前の記事で詳しくお伝えしました。 ## 定着面ではタイの失踪者が少なめです 出入国在留管理庁の速報値によりますと、2025年の技能実習生の失踪者は全体で3,950人でした。国籍別ではベトナム2,593人、インドネシア444人、タイ17人です。 受入れ規模との比較も見ておきます。2024年度の技能実習計画認定件数に占める割合は、ベトナム40.6%、インドネシア26.1%、タイ2.6%です。失踪者に占める割合はそれぞれ65.6%、11.2%、0.4%で、タイとインドネシアは受入れ規模に比べて失踪者の割合が小さくなっています(年度と暦年で期間が異なるため、あくまで目安です)。なお、失踪者数は3か国とも前年から減っています。 ## 人数を集めやすいのはベトナム・インドネシア 2025年12月末の特定技能の在留者数は、ベトナム164,352人(42.1%)、インドネシア86,955人(22.3%)に対し、タイは6,817人(1.7%)です。まとまった人数を継続して確保したい場合は、ベトナム・インドネシアのほうが母集団は大きいといえます。但し、近年ベトナムでは日本での技能実習希望者が激減し、質の低下が指摘されています。 ## 職種ごとの使い分け 数字を並べると、タイは「人数は多くないが、定着を重視する職場に向く国」、インドネシアは「人数の確保と定着のバランスが取りやすい国」という傾向が見えます。待遇が整っていて長く働いてほしい職種ではタイ、屋外で負荷が高く、人数も必要な職種ではインドネシアやベトナム、という組み合わせが現実的です。国の選び方は、現在お付き合いのある管理組合とよく打ち合わせたうえでご判断いただくことをお勧めします。 ## 人財タイランド/人財キャンパスの取り組み 人財タイランドは、少ない母集団のなかから日本で長く働ける方を選ぶことに力を入れています。ウドンタニの日本語学校「人財キャンパス」では、日本での実務経験が豊富な日本人責任者が、管理組合・受入れ企業のご要望(日本語レベル、職種の語彙、生活指導)を授業に反映しています。グループ内にインドネシアの送出し機関もあるため、職種に応じて両国での募集をご相談いただけます。 ## お問い合わせ タイ・インドネシアのどちらで募集するか、職種ごとのご相談は、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT THAILAND)へお問い合わせください。(お問い合わせページへ)

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少子高齢化と労働力人口の頭打ち – 数字で見るタイ

技能実習生

– タイの合計特殊出生率は2025年に0.86まで低下し、出生数は約41.6万人と過去75年で最低水準になりました。 – 生産年齢人口(15〜59歳)はすでに頭打ちで、タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)の推計では2020年の4,326万人から2040年には3,650万人まで減る見通しです。 – 人材の送出し国としてのタイも、この構造変化の外にはありません。中長期の調達計画を立てるうえで押さえておきたい数字をまとめました。 ## 出生数は75年ぶりの低水準です タイの2025年の出生数は約41万6,000人で、前年から約4万5,000人減り、過去75年間で最も少ない水準になりました。死亡数は約56万人にのぼり、出生数を約14万人上回っています。出生数が死亡数を下回る「自然減」は、これで5年連続です注1。合計特殊出生率は0.86まで下がり、韓国・台湾・シンガポールと並んで世界でも低い水準にあります。 ## 生産年齢人口はすでにピークを越えています NESDCの推計によりますと、15〜59歳の生産年齢人口は2020年時点で4,326万人、総人口の65%を占めていましたが、2040年には3,650万人、比率にして56%まで下がる見通しです。現役世代と高齢者の比率も、2020年の「3.6人で高齢者1人を支える」形から、2040年には「1.8人で1人」まで縮みます。総人口自体も2028年ごろの6,720万人をピークに減少へ転じ、2040年には6,540万人になると見込まれています。 ## 高齢化のスピードは日本より速いといわれます 年齢の中央値は2026年時点で41歳です注4。日本ほど高齢化が進んでいるようには見えないかもしれませんが、タイの高齢化は短期間で進むことが特徴です。NESDCは2037年には65歳以上が人口の30%を超えると見込んでおり、労働供給の面でも早めの手を打つ必要がある国として位置づけられています。 ## 送出し国としてのタイをどう見るか 以前の記事で、[円安と国内賃金の上昇を背景に、技能実習生の国籍別構成比でタイが全体の約3%にとどまっている](2026-09-10_円安で変わるタイの技能実習_希望者減少と採用先の見直し.md)とお伝えしましたが、その背景には為替や国内賃金だけでなく、今回ご紹介した生産年齢人口の頭打ちという構造的な要因も重なっています。国内で働く若年層の絶対数そのものが減っていくなかで、日本行きを選ぶ人材をどう確保するかが、今後さらに課題になっていきます。 ## 人財タイランドの見方 こうした構造変化を踏まえ、人財タイランドは人数をそろえることよりも、日本語学習の継続意欲と生活面の安定を重視した選抜を続けていまhttps://jinzai.co.th/contact_jp/す。日本語教育を担う自社の日本語学校「人財キャンパス」(ウドンタニ)でも、限られた人材プールのなかから長く日本の現場で働き続けられる方をお送りできるよう、指導体制を整えています。 ## お問い合わせ タイ人材の中長期的な確保についてご相談がある場合は、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT THAILAND)へお問い合わせください。(お問い合わせページへ)

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育成就労で受入れ企業がいま準備すべきこと ― 2027年4月施行、まず「対象分野」と「転籍」から

育成就労

– 技能実習に代わる「育成就労」制度は、2027年(令和9年)4月1日に施行されます。「国際貢献」という建前をやめ、「人手不足分野での人材確保と人材育成」を正面から目的に掲げる制度です。タイ人材の受け入れ企業にとっても対応は同じです。 – 受入れ企業にとって影響が大きい変更は2つあります。ひとつは、受け入れられる職種が「特定技能の分野」に絞られること。もうひとつは、本人の希望による転籍が認められることです。 – 準備の年は2026年になります。育成就労計画の認定申請は2026年9月1日に受付が始まり、技能実習ルートを使う場合、管理組合の新規許可申請は2026年9月30日が期限です。   ## まず「対象分野」を確認する ― 技能実習より受け入れの間口が狭くなる   技能実習では、これまで94職種・171作業と幅広い仕事が対象として認められてきました。ところが育成就労は、受け入れられる分野を特定技能の分野に原則そろえる設計になっています。特定技能は2027年に3分野(リネンサプライ、物流倉庫、資源循環)が加わって19分野になりますが、育成就労はそこから「航空」「自動車運送業」を除いた17分野が対象になる見込みです。 つまり、いま技能実習で受け入れている職種が、育成就労では対象から外れる可能性があります。技能実習にはあって特定技能にはない作業が該当します。   **やるべきこと**:自社の受け入れ職種が17分野とその業務区分に含まれるかを、分野別運用方針の「育成就労産業分野・業務区分一覧」でご確認ください。外れる場合は、技能実習の経過措置を使えるか、別の受け入れ手段に切り替えるかを早めに検討しておきましょう。   ## 「転籍」に備える ― 定着が経営課題になる   技能実習では、実習生は原則として途中で勤務先を変えられませんでした。育成就労では、一定の就労期間を満たし、分野ごとに定められた技能と日本語の水準に達していれば、本人の希望で同じ分野の別の会社へ移ることができます。転籍を受け入れた企業が、前の企業が育成にかけた費用の一部を「補填金」として負担する仕組みも設けられます。   裏を返せば、賃金・住環境・支援体制・キャリアパスが弱い受入れ先からは、人材が流出し得るということです。制度への事務対応と並行して、「働き続けたい」と思ってもらえる職場づくりが避けて通れなくなります。   本人の意向による転籍が認められる主な条件は、①転籍制限期間(分野により1〜2年。企業の判断で1年に短縮できます)を超えていること、②分野別運用方針が定める水準の技能と日本語を身につけていること、③転籍先が優良認定を受けた企業であること、④転籍者が受入れ総数の3分の1以下であること、などです。   **やるべきこと**:賃金水準、住環境、生活支援、特定技能1号への移行支援を点検し、他社と比べて見劣りしないかをご確認ください。   ## 現行の管理組合と打ち合わせる ― 「監理支援機関」への移行を確認する   管理組合は、許可制の「監理支援機関」に移行します。新たな許可要件として、外部監査人の設置の義務化、債務超過でないこと、2者以上の企業を監理すること、常勤職員2名以上、などが加わります。現行お付き合いのある管理組合と綿密な打ち合わせをしてください。   **やるべきこと**:現在の管理組合に、監理支援機関の許可取得の見込みや、移行に向けた準備状況をご確認ください。許可申請の受付は、2026年4月15日に始まっています。   ## 日本語と社内体制を早めに整える ― 「3年で特定技能1号」を前提に   育成就労は、3年の就労を通じて特定技能1号の水準まで育てることを想定した制度です。入国の時点での日本語要件はありませんが、就労を始める前までに、日本語能力A1相当以上の試験に合格するか、認定日本語教育機関でA1相当の講習を100時間以上受ける必要があります。さらに特定技能1号へ移行するには、技能試験(技能検定3級等または特定技能1号評価試験)と、日本語A2相当以上の試験に合格しなければなりません。受入れ企業には、このA2相当の講習を100時間以上提供する義務が課されます。   加えて、育成就労責任者・指導員・生活相談員には、過去3年以内に養成講習を修了していることが求められます。   **やるべきこと**:入国前研修 → 入国後講習 → 現場でのOJTを、A1からA2、その先のN3へと一本の線でつながるように設計しておきましょう。どの区間を送出し機関・監理支援機関・自社が担うかを決め、担当者の養成講習の受講計画も立てておくことをお勧めします。   ## […]

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人財キャンパスとは ― 日本人責任者が管理組合の要望に直接応える日本語学校

日本語教育

– 人財タイランドは2022年1月、タイ・ウドンタニ県に自社の日本語学校「人財キャンパス」を開校しました。- 学校責任者は、日本での実務経験が豊富な日本人・加藤ひとみが務め、管理組合や受入れ企業からのご要望に直接、細かく対応できる体制を敷いています。- カリキュラムはN5相当からN3相当まで3段階で設計されており、技能実習・特定技能で現場が求める日本語水準に沿って学習を進められます。今回は人財タイランドが運営する日本語学校「人財キャンパス」を改めてご紹介するとともに、近況のご報告をすることにします。 ## 定員70名・少人数制の学校です人財キャンパスは、タイ東北部(イサーン地方)のウドンタニ県メーン郡にあります。定員は70名で、2026年9月時点の在校生は25名、教師は3名という少人数体制です注1。1クラスあたりの人数を絞ることで、発音や生活態度まで一人ひとりに目が届く指導を心がけています。教材は「いろどり」「みんなの日本語」を使用しています。 ## カリキュラムはN5相当からN3相当まで3レベル制です授業はレベル1(基礎日本語・N5相当、文字と語彙の初歩、日常会話と基本業務への対応)、レベル2(初級日本語・N4相当、聴解と会話に重点を置き、職場と日常での実用的なコミュニケーション力を養成)、レベル3(中級日本語・N3相当、聴く・話す・読む・書くの四技能を強化)の3段階に分かれています注2。技能実習・特定技能の職場で必要になる語彙や敬語表現も、この積み上げの中で扱っています。なぜここまで段階を細かく分けるのかというと、日本側が現場で求める日本語水準に、はっきりとした目安があるためです。たとえば技能実習「介護」職種では、入国時にN4合格(またはN4相当)、2年目以降の第2号技能実習ではN3合格(またはN3相当)であることが要件とされています注3。介護以外の職種に同様の法定要件があるわけではありませんが、受入れ企業・管理組合が実務上の目安として近い水準を求める場面は少なくありません。人財キャンパスのレベル設計は、こうした現場の要求水準を見据えたものです。 ## 日本人責任者が要望を直接受け止めます学校責任者の加藤ひとみは、日本での実務経験が豊富な日本人です。求める日本語レベル、職種特有の語彙、生活指導で重視してほしい点など、監理組合・受入れ企業からのご要望を、通訳を介さず直接受け止め、授業や生活指導に反映できる体制になっています。前回円安でタイの技能実習希望者が減り、選抜をより厳格にしているとお伝えしましたが、日本語教育の質を落とさないための土台として、この学校がその役割を果たします。 ## 人財タイランドの取り組み ― 送出しから日本語教育まで一貫対応人財キャンパスでの教育は、人財タイランドが行う技能実習・特定技能の送出しと一体で運営しています。これまでの送出し実績は約300名、定着率は95%です注4。人数をそろえることよりも、日本の現場で長く働き続けられる方を、必要な日本語力とともにお送りすることを重視しています。 ## お問い合わせ学校見学のご要望、カリキュラムや指導体制についてのご質問は、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT THAILAND)へご相談ください。(お問い合わせページへ)

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円安で変わるタイの技能実習 ― 希望者の減少と、職種ごとの採用先の見直し

技能実習業界関連情報

円はバーツに対して、この6年でおよそ3割下落しました。日本で働いて得た給料をバーツに換算したときの「持ち帰り価値」が大きく目減りし、タイの方にとって日本で働く金銭的な魅力は以前より小さくなっています。- 同じ時期にタイ国内の最低賃金は上がり続けています。ベトナムやミャンマーより高く、インドネシアで送出しの多い地域よりも高い水準です。国内で働く選択肢の魅力が相対的に増しました。- その結果、タイでは技能実習の希望者が減り、応募してくる方の層にも変化が見られます。建設のとびのような、屋外で負荷が高く相対的に賃金の低い職種は、これまでの条件ではタイでの候補者確保がほぼ難しくなっています。  ## 円はバーツに対して約3割下落しました世界経済のネタ帳の集計によりますと、100円で買えるバーツは、2019年の年平均で約28.5バーツ、2026年(1〜7月平均)では約20.3バーツで、6年でおよそ29%下落しました。技能実習の手取りを月15万円と仮定して各年の平均レートでバーツに換算すると、2020年は約43,900バーツ、2026年は約30,500バーツとなり、6年でおよそ1万3,000バーツ(約30%)目減りした計算です。日本で受け取る金額が同じでも、タイの家族に送れる金額、帰国後に手元に残る金額は、以前よりはっきり小さくなっています。   ## タイの賃金は上がり、国内で働く魅力が増していますタイの最低賃金は日額400バーツへの引き上げが進み、ASEANの中では中位から上位に位置します。地域別の最低賃金が月額160〜230米ドル相当のベトナム、それより低いミャンマー、送出しの多い地域が月額200米ドル前後のインドネシアと比べても、タイの賃金水準は高めです。技能実習生の国籍別の構成比を見ても、タイは全体の約3%にとどまり、45%のベトナム、8%のインドネシアを下回っています。円安と国内賃金の上昇が重なり、「日本へ行く」という選択の相対的な魅力が下がっていることが、数字にも表れています。  ## 希望者が減り、集まる層も変わってきました(当社の実感)ここからは統計ではなく、人財タイランドが日々の募集・面接で感じている変化です。数年前までは、応募者の中に大卒者も一定数いました。近年はほとんど見られなくなっています。また、応募のハードルが下がったことの裏返しとして、勤務態度や素行の面で懸念が残る応募者の割合が増えたという実感もあります。とくに建設のとびをはじめとする、屋外で体力的な負荷が大きく、日本での賃金が相対的に低めの職種では、以前と同じ待遇提示で日本行きを希望するタイの方を見つけることは、非常に難しくなりました。  ## 人財タイランドの対応 ― 選抜を厳しくし、質を担保しますこうした環境の変化を踏まえ、当社は候補者の選抜をこれまで以上に厳格にしています。書類審査に加え、適性検査、複数回の面接、これまでの勤務歴や素行の確認を行い、日本語学習の継続意欲と生活面の安定を重視して選考します。人数をそろえることよりも、日本の現場で長く働き続けられる方をお送りすることを優先しています。日本語教育は、当社が2022年にウドンタニで開校した日本語学校「人財キャンパス」で行っています(定員70名の少人数制)。学校の責任者は、日本での実務経験が豊富な加藤ひとみが務め、監理組合や受入れ企業からのご要望(求める日本語レベル、職種特有の語彙、生活指導の重点など)に細かく対応できる体制です。当社がこれまでにお送りした技能実習生・特定技能労働者は約300名で、定着率は95%です。  ## ご提案 ― 職種によって採用先を分けることをお勧めしますそのうえで、受入れ企業・管理組合の皆さまにお伝えしたいのは、「タイにこだわらず、職種ごとに最適な国を選ぶ」という考え方です。賃金水準が相対的に低く、屋外で負荷の高い職種については、インドネシアなど他の国に採用先を移すことをお勧めします。当グループはインドネシアにも送出し機関と日本語学校(LPK)を持っており、そちらでの募集・育成に切り替えるご相談が可能です。一方で、待遇が比較的整っている職種や、特定技能・より専門性の高い人材については、タイでの採用が引き続き有効です。人財タイランドは、この見極めからご相談をお受けします。  ## お問い合わせ職種ごとの採用先の見直し、タイ・インドネシアそれぞれでの募集について、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT THAILAND)へご相談ください。(お問い合わせページへ)

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人手不足倒産、すでに300件超えで年間最多を更新 賃上げが資金繰りを圧迫

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東京商工リサーチの調査によると、2025年1~10月の「人手不足」による倒産は323件(前年同期比30.7%増)に達し、年間最多だった2024年の292件を2カ月残して上回った。年間300件を超えるのは、調査を開始した2013年以降で初めてで、「防衛的賃上げ」も限界に達しつつある。人手不足倒産は増加傾向にある。 倒産の背景に「人件費高騰」と「従業員流出」  内訳を見ると、「従業員退職」による倒産が95件(前年同期比53.2%増)と約1.5倍に増加。「人件費高騰」も114件(同37.3%増)と約1.3倍に増えた。より良い待遇を求めて従業員の流動化が進む中、新たな人材確保や退職防止のために賃上げを迫られる企業が増加している。その結果、資金に余裕のない企業では、やりくりが急速に難しくなっている。 小・零細企業で倒産が集中  規模別に見ると、資本金1000万円未満の小・零細企業が202件(前年同期比31.1%増)と全体の6割超(構成比62.5%)を占めた。大手と中小の賃金格差が広がり、物価高で賃上げ原資を確保できない小規模企業では、労働力の確保が一段と困難になっている。東京商工リサーチは「事業の発展や現状維持も難しい企業を中心に、倒産を押し上げる可能性が高い」と指摘している。 本調査は、2025年1~10月の全国企業倒産(負債1000万円以上)のうち、「求人難」「従業員退職」「人件費高騰」に起因する「人手不足」関連倒産を抽出し、分析した(後継者難は対象外)。

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日本支局から実習生へ熱いエール

技能実習現場

こんにちは!人財タイランドです。今回は日本支局からの入国後レポートをご紹介します。 10月22日早朝、1か月の入国後講習を終えた3人の技能実習生が配属先の北海道南部に位置する食品製造業へと旅立ちました。 彼女たちはタイ東北地方ウドンタニーで入国前講習を終え、9月20日に入国。当社日本支局長が成田空港から東京駅まで見送りし激励。初めての新幹線に乗車し新青森へ。そこで担当監理団体様にお出迎え頂き、入寮、入国後講習が開始しました。 しばらくは慣れない土地、環境、戸惑い、心細さから泣き出してしまう日もあり、何度も相談を受けました。甘い気持ちが残っていたこともあったと思います。監理団体様には「まずはこの1か月が勝負。気持ちを切り替え、頑張らないと!」と彼女らのために少々厳しく指導、躾て頂きました。一方、他の実習生とも溶け込むよう歓迎ランチ会を主催頂いたり、より理解度を高めるため講習テキストは全てタイ語訳し、寂しさを感じぬようWIFI環境の整った部屋を用意頂くなど様々な配慮、サポートを頂いたのもあり、本人らも甘い気持ちを切替え、モチベーションを高め、頑張って1か月を乗り切ることができました。 寒さ厳しい北海道で働くことは思った以上、戸惑いや苦労もあるでしょうが、自らの目標、将来の為、そして応援してくれる家族の為に3年間、楽しく頑張ってください!

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タイ人実習生の受入れには、受入企業による租税条約締結が義務付けられています。

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人財タイランド日本支局からの重要なお知らせです。 日頃より大変にお世話になっております。 「タイ大使館に提出する書類」に関する「重要なお知らせ」です。 最近の傾向として、在日本のタイ大使館に「参考様式第1‐14号雇用契約書、 及び雇用条件書を提出した際に、タイ大使館側から 「受入先企業がきちんと租税条約を申請しているかどうか?」 の確認がされるようになっています。 こちら未申請ですと、承認されず認可が得られないケースが出てきています。 背景として、 『租税条約により、タイ人技能実習生は、「税金免除」を受ける権利があり、 在日本のタイ大使館はそれを遵守させる、実施状況を確認する立場にある』 が挙げられます。 因みに貼付のように、タイ大使館からは、 「様式1-14号、Ⅶ賃金の「4.労使協定に基づき賃金支払い時控除する項目」、(a)税金」 の右側の空欄に「租税条約申請免除」を追加記入が求められています。 *承認前の申請中の書類、並びに今後申請する書類が対象になります。 様式1-14 タイ大使館の要請に基づき、人財タイランドで追記 ついては現在申請中、また今後、申請される該当する受入先企業に当状況をご説明頂き、書類申請後の承認を円滑に進めるため、 「必ず、租税条約の申請を行う」よう促してください。 もし租税条約を申請されない場合には、書類申請のサポートが円滑に進まない可能性もあることをご承知置きの上、何卒、ご協力お願い致します。 *補足説明 「租税条約は、所得税、法人税、地方税の国際間での二重課税の回避・脱税・租税回避の防止等を目的として、日本国と諸外国との間で締結されている条約です。 条約を締結している国からの研修生や実習生などで、一定の要件を満たしている方は、 所得税が免除となります。」 【参考情報、資料】 我が国とタイとの間の租税条約に対する本条約の適用関係の概要 我が国とタイとの間の租税条約に対する本条約の適用関係の概要 : 財務省 (mof.go.jp) * 税金の免除に関するお知らせ 200925-1 (otit.go.jp) * 租税条約に関する届出書 257.pdf (nta.go.jp)

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