40年の成長目標達成、外国人674万人必要に JICA推計

国際協力機構(JICA)などは2日までに、政府の目指す経済成長を2040年に達成するために必要な外国人労働者が、現在の4倍近い674万人に上るとの推計をまとめた。アジア地域からの人材が期待されるが、経済成長によって日本で働こうという意欲が次第に薄れる国もあり、42万人の労働力が不足するとも分析した。JICA関係者への取材で分かった。

出入国在留管理庁は人手不足対策として設けた在留資格「特定技能」について、長期間働ける業種の拡大を検討している。労働力確保の難しさが一段と鮮明になるなか、海外人材の受け入れ環境の整備に向けた活発な議論が求められる。

推計はJICAや日本政策投資銀行グループの価値総合研究所(東京・千代田)などが実施した。JICA関係者によると、政府系機関が外国人労働者の需給をシミュレーションするのは初めて。3日のシンポジウムで公表する。

試算に当たってJICAなどは、内閣府の中長期試算や厚生労働省の19年の年金財政検証で「成長実現ケース」の前提としている経済成長率に基づき、40年の国内総生産(GDP)の目標を15年比36%増の704兆円と設定した。

女性や高齢者の就労が拡大しても40年の労働力人口が15年比で1割以上減少するとの労働政策研究・研修機構の推計を基に試算。人手を補う自動化などの設備投資を進めても、40年に目標GDPを達成するには674万人の外国人材が必要との結果が出た。

厚労省によると、国内の外国人労働者は21年10月末時点で172万7千人。日本で技能・技術を学ぶことが目的の技能実習が35万人、留学生によるアルバイトなどの「資格外活動」が33万人を占める。特定技能も含め、40年には現在のほぼ4倍に当たる人数を確保せねばならない。

一方、日本に多くの労働者を送り出すアジア各国などからの来日人数も試算した。新型コロナウイルス禍による減少の後、22年から再び増加すると仮定。途上国は経済力が一定水準に達するまで国外で働く人が増えるとの従来の傾向を踏まえ、カンボジアやミャンマーなどから来日する人が増えると分析した。

ただ、タイやインドネシアなどは現地の賃金上昇などで自国にとどまる傾向が強まると予想。40年時点で日本で働いているのは632万人にとどまり、必要な労働者数を42万人下回った。

JICAなどは不足する労働力を補うため、外国人材に認める滞在期間の長期化などを検討課題として挙げた。外国人の就労を巡っては入管庁が特定技能について、最長5年の有効期限を更新できる対象業種を事実上、全14分野に広げる方向で調整を進めている。

(外国人共生エディター 覧具雄人、マクロ経済エディター 松尾洋平)

日本経済新聞2月3日の記事より抜粋