タイ vs ベトナム・インドネシア ― 技能実習・特定技能の送出し国を賃金・為替・定着の数字で比較

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– 2019年と比べて、円の価値はバーツに対して28%、ドンに対して22%、ルピアに対して15%下がりました。3か国のなかで、日本で働く金銭的な魅力が最も薄れたのはタイです。 – 一方で、タイは受入れ規模に比べて失踪者が少なく、2025年の技能実習生の失踪者は17人でした。 – 「どの国が良いか」ではなく、職種と待遇に合わせて国を選ぶための材料として、3か国の数字を並べました。 ## 母国の最低賃金を円に換算すると 3か国の最低賃金を、2026年(1〜9月)の平均レートで円に換算すると次のようになります。 タイは最も低い地域でも月4万円台に届き、国内全体の底上げが進んでいます。インドネシアは首都と地方の差が大きく、送出しの多い地方部ではベトナムと同程度の水準です。 ## 円の目減りはタイが最も大きい 日本の給料を母国に送るとき、効いてくるのが為替です。100円で買える現地通貨は、2019年の年平均から2026年(1〜9月平均)にかけて、タイで28.5→20.5 THB(▲28%)、ベトナムで21,145→16,581 VND(▲22%)、インドネシアで12,978→10,980 IDR(▲15%)と減りました。 同じ円額の給料でも、タイの方にとっては以前より3割近く目減りしています。[円安がタイの技能実習希望者に与えている影響](2026-09-10_円安で変わるタイの技能実習_希望者減少と採用先の見直し)は以前の記事で詳しくお伝えしました。 ## 定着面ではタイの失踪者が少なめです 出入国在留管理庁の速報値によりますと、2025年の技能実習生の失踪者は全体で3,950人でした。国籍別ではベトナム2,593人、インドネシア444人、タイ17人です。 受入れ規模との比較も見ておきます。2024年度の技能実習計画認定件数に占める割合は、ベトナム40.6%、インドネシア26.1%、タイ2.6%です。失踪者に占める割合はそれぞれ65.6%、11.2%、0.4%で、タイとインドネシアは受入れ規模に比べて失踪者の割合が小さくなっています(年度と暦年で期間が異なるため、あくまで目安です)。なお、失踪者数は3か国とも前年から減っています。 ## 人数を集めやすいのはベトナム・インドネシア 2025年12月末の特定技能の在留者数は、ベトナム164,352人(42.1%)、インドネシア86,955人(22.3%)に対し、タイは6,817人(1.7%)です。まとまった人数を継続して確保したい場合は、ベトナム・インドネシアのほうが母集団は大きいといえます。但し、近年ベトナムでは日本での技能実習希望者が激減し、質の低下が指摘されています。 ## 職種ごとの使い分け 数字を並べると、タイは「人数は多くないが、定着を重視する職場に向く国」、インドネシアは「人数の確保と定着のバランスが取りやすい国」という傾向が見えます。待遇が整っていて長く働いてほしい職種ではタイ、屋外で負荷が高く、人数も必要な職種ではインドネシアやベトナム、という組み合わせが現実的です。国の選び方は、現在お付き合いのある管理組合とよく打ち合わせたうえでご判断いただくことをお勧めします。 ## 人財タイランド/人財キャンパスの取り組み 人財タイランドは、少ない母集団のなかから日本で長く働ける方を選ぶことに力を入れています。ウドンタニの日本語学校「人財キャンパス」では、日本での実務経験が豊富な日本人責任者が、管理組合・受入れ企業のご要望(日本語レベル、職種の語彙、生活指導)を授業に反映しています。グループ内にインドネシアの送出し機関もあるため、職種に応じて両国での募集をご相談いただけます。 ## お問い合わせ タイ・インドネシアのどちらで募集するか、職種ごとのご相談は、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT THAILAND)へお問い合わせください。(お問い合わせページへ)

人財キャンパスとは ― 日本人責任者が管理組合の要望に直接応える日本語学校

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– 人財タイランドは2022年1月、タイ・ウドンタニ県に自社の日本語学校「人財キャンパス」を開校しました。- 学校責任者は、日本での実務経験が豊富な日本人・加藤ひとみが務め、管理組合や受入れ企業からのご要望に直接、細かく対応できる体制を敷いています。- カリキュラムはN5相当からN3相当まで3段階で設計されており、技能実習・特定技能で現場が求める日本語水準に沿って学習を進められます。今回は人財タイランドが運営する日本語学校「人財キャンパス」を改めてご紹介するとともに、近況のご報告をすることにします。 ## 定員70名・少人数制の学校です人財キャンパスは、タイ東北部(イサーン地方)のウドンタニ県メーン郡にあります。定員は70名で、2026年9月時点の在校生は25名、教師は3名という少人数体制です注1。1クラスあたりの人数を絞ることで、発音や生活態度まで一人ひとりに目が届く指導を心がけています。教材は「いろどり」「みんなの日本語」を使用しています。 ## カリキュラムはN5相当からN3相当まで3レベル制です授業はレベル1(基礎日本語・N5相当、文字と語彙の初歩、日常会話と基本業務への対応)、レベル2(初級日本語・N4相当、聴解と会話に重点を置き、職場と日常での実用的なコミュニケーション力を養成)、レベル3(中級日本語・N3相当、聴く・話す・読む・書くの四技能を強化)の3段階に分かれています注2。技能実習・特定技能の職場で必要になる語彙や敬語表現も、この積み上げの中で扱っています。なぜここまで段階を細かく分けるのかというと、日本側が現場で求める日本語水準に、はっきりとした目安があるためです。たとえば技能実習「介護」職種では、入国時にN4合格(またはN4相当)、2年目以降の第2号技能実習ではN3合格(またはN3相当)であることが要件とされています注3。介護以外の職種に同様の法定要件があるわけではありませんが、受入れ企業・管理組合が実務上の目安として近い水準を求める場面は少なくありません。人財キャンパスのレベル設計は、こうした現場の要求水準を見据えたものです。 ## 日本人責任者が要望を直接受け止めます学校責任者の加藤ひとみは、日本での実務経験が豊富な日本人です。求める日本語レベル、職種特有の語彙、生活指導で重視してほしい点など、監理組合・受入れ企業からのご要望を、通訳を介さず直接受け止め、授業や生活指導に反映できる体制になっています。前回円安でタイの技能実習希望者が減り、選抜をより厳格にしているとお伝えしましたが、日本語教育の質を落とさないための土台として、この学校がその役割を果たします。 ## 人財タイランドの取り組み ― 送出しから日本語教育まで一貫対応人財キャンパスでの教育は、人財タイランドが行う技能実習・特定技能の送出しと一体で運営しています。これまでの送出し実績は約300名、定着率は95%です注4。人数をそろえることよりも、日本の現場で長く働き続けられる方を、必要な日本語力とともにお送りすることを重視しています。 ## お問い合わせ学校見学のご要望、カリキュラムや指導体制についてのご質問は、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT THAILAND)へご相談ください。(お問い合わせページへ)

円安で変わるタイの技能実習 ― 希望者の減少と、職種ごとの採用先の見直し

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円はバーツに対して、この6年でおよそ3割下落しました。日本で働いて得た給料をバーツに換算したときの「持ち帰り価値」が大きく目減りし、タイの方にとって日本で働く金銭的な魅力は以前より小さくなっています。- 同じ時期にタイ国内の最低賃金は上がり続けています。ベトナムやミャンマーより高く、インドネシアで送出しの多い地域よりも高い水準です。国内で働く選択肢の魅力が相対的に増しました。- その結果、タイでは技能実習の希望者が減り、応募してくる方の層にも変化が見られます。建設のとびのような、屋外で負荷が高く相対的に賃金の低い職種は、これまでの条件ではタイでの候補者確保がほぼ難しくなっています。  ## 円はバーツに対して約3割下落しました世界経済のネタ帳の集計によりますと、100円で買えるバーツは、2019年の年平均で約28.5バーツ、2026年(1〜7月平均)では約20.3バーツで、6年でおよそ29%下落しました。技能実習の手取りを月15万円と仮定して各年の平均レートでバーツに換算すると、2020年は約43,900バーツ、2026年は約30,500バーツとなり、6年でおよそ1万3,000バーツ(約30%)目減りした計算です。日本で受け取る金額が同じでも、タイの家族に送れる金額、帰国後に手元に残る金額は、以前よりはっきり小さくなっています。   ## タイの賃金は上がり、国内で働く魅力が増していますタイの最低賃金は日額400バーツへの引き上げが進み、ASEANの中では中位から上位に位置します。地域別の最低賃金が月額160〜230米ドル相当のベトナム、それより低いミャンマー、送出しの多い地域が月額200米ドル前後のインドネシアと比べても、タイの賃金水準は高めです。技能実習生の国籍別の構成比を見ても、タイは全体の約3%にとどまり、45%のベトナム、8%のインドネシアを下回っています。円安と国内賃金の上昇が重なり、「日本へ行く」という選択の相対的な魅力が下がっていることが、数字にも表れています。  ## 希望者が減り、集まる層も変わってきました(当社の実感)ここからは統計ではなく、人財タイランドが日々の募集・面接で感じている変化です。数年前までは、応募者の中に大卒者も一定数いました。近年はほとんど見られなくなっています。また、応募のハードルが下がったことの裏返しとして、勤務態度や素行の面で懸念が残る応募者の割合が増えたという実感もあります。とくに建設のとびをはじめとする、屋外で体力的な負荷が大きく、日本での賃金が相対的に低めの職種では、以前と同じ待遇提示で日本行きを希望するタイの方を見つけることは、非常に難しくなりました。  ## 人財タイランドの対応 ― 選抜を厳しくし、質を担保しますこうした環境の変化を踏まえ、当社は候補者の選抜をこれまで以上に厳格にしています。書類審査に加え、適性検査、複数回の面接、これまでの勤務歴や素行の確認を行い、日本語学習の継続意欲と生活面の安定を重視して選考します。人数をそろえることよりも、日本の現場で長く働き続けられる方をお送りすることを優先しています。日本語教育は、当社が2022年にウドンタニで開校した日本語学校「人財キャンパス」で行っています(定員70名の少人数制)。学校の責任者は、日本での実務経験が豊富な加藤ひとみが務め、監理組合や受入れ企業からのご要望(求める日本語レベル、職種特有の語彙、生活指導の重点など)に細かく対応できる体制です。当社がこれまでにお送りした技能実習生・特定技能労働者は約300名で、定着率は95%です。  ## ご提案 ― 職種によって採用先を分けることをお勧めしますそのうえで、受入れ企業・管理組合の皆さまにお伝えしたいのは、「タイにこだわらず、職種ごとに最適な国を選ぶ」という考え方です。賃金水準が相対的に低く、屋外で負荷の高い職種については、インドネシアなど他の国に採用先を移すことをお勧めします。当グループはインドネシアにも送出し機関と日本語学校(LPK)を持っており、そちらでの募集・育成に切り替えるご相談が可能です。一方で、待遇が比較的整っている職種や、特定技能・より専門性の高い人材については、タイでの採用が引き続き有効です。人財タイランドは、この見極めからご相談をお受けします。  ## お問い合わせ職種ごとの採用先の見直し、タイ・インドネシアそれぞれでの募集について、人財タイランド(JINZAI RECRUITMENT THAILAND)へご相談ください。(お問い合わせページへ)